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第五話 放棄

こんばんは


続きです


カテゴリ欄の『小説』に書き溜めていきますので、
そちらからアクセスいただくと読みやすいと思います。

※この小説はフィクションです。
 実在の人物、団体名とは一切関係ありません。

原作
白鯨百一氏作:本土決戦




 IT産業はこれを加速させていった。

キャッシュレス決済、ネット通販、カードローン。


多くの会社は、本来自分がやるべき仕事をどんどんアウトソーシングさせていった。

合理性の名のもとに、自分たちの能力の低下に目をつぶり、実在するかどうかも怪しい「権力」の維持だけに力を注いだ。




子どもたちを塾にやる、その当時の教育熱心な母親たちに訊ねたい気分だ。

そんな想いをして、子どもたちをどうしたかったのか。



それはつまり、楽で、安全で、体裁の整った立場に、子どもを就けたいだけだったのか。

『日本の将来を支えるエリート』になってほしいなんて、これっぽっちも思っていやしなかったのではないか。


また、当時の若者たちのいうクリエイティブな仕事とか、あの当時の働き方改革でもっとも求められた理想の職場とは、





楽で安全で格好のつく仕事であり、それを許す職場だった。






ブラック企業の犠牲者は、いつだってほんの少し真面目で、責任感のある人間だった。



会社と、圧倒的多数の従業員は凶暴なまでの無責任・無関心で、真面目な人間を食い物にしていた。

虚栄と安楽と安全が、三つ同時に手に入ることはないが、唯一それを叶えてくれるのが「カネ」というわけだ。

だから誰しも、自己のエネルギーという実力よりも、カネという権力を求めたのだ。

それを人間的資質として攻めることはできなかっただろう。





動物として考えれば簡単だと言ったが、腹いっぱいになった動物はどんな行動をとるか。



まず、活発には動かない。

それは当然だ。

彼らにはエネルギーを無駄遣いしてはいけない正当な理由がある。



危険は冒さない。

それも当然だ。

食欲が満たされれば、危険を冒す理由がない。




そして、彼らに残される行動といったら、群れの中で虚勢を張ることくらいだろう。

人間も動物なのだから、こうなることは当然だ。

資質でもない、性格でもない、本能なのだ。





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古代ローマ市民の「パンとサーカス」の問題あたりから、人間の動物的退化には多少なりとも懸念があった。


しかし、一般大衆が食うに困らず、暇つぶしに困るほどの経済力をもった国は、その後二千年なかなか現れなかった。


国が豊かになれば、出生率が減ったり自殺率が高まることは分かっていたが、



だからといって、経済成長を止める国なんてありはしない。






一説によれば、人間が生物として進化の頂点に達したのは、いまから二千年ほど前のことで、それからは徐々に退化している。




そして、私たちの生まれた世代から、その退化は一気に加速した。

日本のゆとり世代、アメリカのミレニアム世代、どこの国も言うことは同じだった。



私のように「生まれた時から社会に何でも揃っている世代は、役に立たない」というのだ。




年配者にそう言われても、困ったものだった。







一方、その当時のヨーロッパの若者の失業率は10%を越えていた。


仕事がなかったわけではない。



キツイ仕事をぜんぶ移民に取られてしまったのだ。


いや・・・、取られたのではない。







『渡してしまった』のだ。




・・・第六話につづく。
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