2020/04/02
第九話 浸蝕
こんばんは
続きです

カテゴリ欄の『小説』に書き溜めていきますので、
そちらからアクセスいただくと読みやすいと思います。
※この小説はフィクションです。
実在の人物、団体名とは一切関係ありません。
原作
白鯨百一氏作:本土決戦
中国が日本を属国にしようとしている噂は私が若い時からあったが、
その当時は漫画めいた陰謀論に過ぎなかった。
しかし、2030年代後半からそれは真実めいてきた。
2037年にアメリカ軍が、沖縄にある米軍基地を放棄撤廃したからだ。
かつての経済力のない日本は、アメリカにとって「お荷物」でしかなかった。
日米安保は形式だけのものとなっていた。
アメリカ政府は相変わらず中国と反目していたが、それ自体には何の意味もない。
もう国をコントロールしているのは、政府や政治家ではなく、
世界の資本家たちだったからだ。

国という枠は反目していても、資本家同士は互いをビジネスパートナーとして見なしている。
彼らは自分たちが共に利益を上げるためにはどうしたら良いか、その方法論しか考えていないのだ。
もっと簡単にいえば、いかに一般庶民を『気付かれないように奴隷化するか』、
ということについての方法論しか頭にないということだ。
残念ながら、あの手この手で搾取され尽くした結果、
彼らにとって、もう日本はなんの旨みもない
「味のなくなったガム」
でしかなくなってしまった。
反対運動の影響で、普天間基地から辺野古への移転はしばらく引き延ばされたが、
わずか数年で基地はお化け屋敷になった。
普天間基地の跡地には「沖縄ディズニーランド」が建設された。
なぜかそこは、いまどきの日本にしては珍しく、世界の富裕層と中国人観光客のおかげで賑わっている。
これも、アメリカと中国資本連携の賜物だ。
沖縄には多くの中国人が移住してきた。
米軍が在中を放棄撤廃したことで島の経済が何もかも成り立たなくなり、
具体的対策を打ち出せない国も県もこれを
「仕方がない」
として容認していたからだ。
経済的に、もはや沖縄は実質中国領土だった。
第十話につづく・・・。
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